Rust開発環境の構築ガイド (Ubuntu 24.04 / macOS M4 / Windows WSL対応)

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プログラミング言語 Rust は、安全性、速度、並行処理に優れた言語として、近年爆発的に人気が高まっています。 本記事では、公式インストーラーである rustup を使用して、 Ubuntu 24.04 LTS macOS (M4/M3等) 、および Windows (WSL2) 上にRustの開発環境を構築する手順を解説します。

Rustとは?

Rust(ラスト) は、パフォーマンス、メモリ安全性、そして安全な並行性を目指して設計されたマルチパラダイムのシステムプログラミング言語です。

C++と同等の速度を持ちながら、メモリ管理のバグ(ヌルポインタ参照やバッファオーバーフローなど)をコンパイル時に排除する強力な型システムを持っています。

Rustが選ばれる理由

  1. 安全性: ガベージコレクション(GC)なしでメモリ安全性を保証します。
  2. 速度: C言語やC++に匹敵する実行速度を誇ります。
  3. 開発体験: パッケージマネージャ「Cargo」やフォーマッター、Linterが標準で統合されており、環境構築が非常にスムーズです。
  4. 人気: Stack OverflowのDeveloper Surveyで、長年にわたり「最も愛されるプログラミング言語」に選出されています。

検証環境

本記事は以下のような環境で動作確認を行なっております。

OSアーキテクチャ稼働環境詳細(ハード/ソフト)
Ubuntu 24.04aarch64仮想環境UTM 4.7 / Mac mini M4 Pro
Ubuntu 24.04x86_64物理マシン自作PC (Intel Core i5)
Ubuntu 24.04x86_64WSL2自作PC (Intel Core i5)
AlmaLinux 10.1aarch64仮想環境UTM 4.7 / Mac mini M4 Pro
AlmaLinux 10.1x86_64物理マシン自作PC (Intel Core i5)
macOS Tahoe 26.2aarch64物理マシンMac mini M4 Pro

1. 事前準備:C言語ビルドツールのインストール

Rustをコンパイルするには、OS側に C言語のリンカー(Linker) が必要です。 これが入っていないと、インストール中に linker 'cc' not found というエラーが発生します。

お使いのOSに合わせて、以下のコマンドを実行してください。

Ubuntu 24.04 / Debian系 Linux の場合

Ubuntuや、WindowsのWSL2 (Ubuntu) を使用している場合は、build-essential パッケージをインストールします。

Terminal window
sudo apt update
sudo apt install curl build-essential gcc make -y

Point: この手順は、Ubuntu 22.04 や 20.04 でも同様です。

RHEL / AlmaLinux / CentOS 系の場合

Red Hat系のディストリビューションを使用している場合は、以下のコマンドを実行します。

Terminal window
sudo dnf check-update
sudo dnf groupinstall "Development Tools" -y
sudo dnf install curl -y

macOS (Apple Silicon M4 / Intel) の場合

macOSでは、Xcode Command Line Toolsが必要です。ターミナルで以下を実行してください。

Terminal window
xcode-select --install

ポップアップが表示された場合は「インストール」をクリックして完了させてください。


2. Rustupのインストール (全OS共通)

事前準備が完了したら、Rustの公式インストーラーである rustup をダウンロードして実行します。 この手順は Linux (Ubuntu), macOS, WSL すべて共通です。

Terminal window
curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh

コマンドを実行すると、以下のような選択肢が表示されます。

1) Proceed with installation (default)
2) Customize installation
3) Cancel installation
>

基本的にはデフォルト設定で問題ありません。 1 を入力して Enter キーを押してください。 インストールが開始され、数分で完了します。


3. パスの設定とインストールの確認

インストール完了後、画面に Rust is installed now. Great! と表示されますが、まだ cargo コマンドなどは使えません。 環境変数(パス)を現在のシェルに反映させる必要があります。

以下のコマンドを実行してください。

Terminal window
. "$HOME/.cargo/env"

インストールの確認

正しくインストールされたか確認するために、バージョンを表示してみましょう。

Terminal window
rustc --version
# 出力例: rustc 1.93.0 (254b59607 2026-01-19)
cargo --version
# 出力例: сагдо 1.93.0 (083ас5135 2025-12-15)

バージョン番号が表示されれば、Rustのインストールは成功です。


4. Hello World:Cargoプロジェクトの作成と実行

Rustのパッケージマネージャ兼ビルドツールである Cargo を使って、最初のプロジェクトを作成してみましょう。

プロジェクトの作成

Terminal window
cargo new hello-rust
cd hello-rust

プロジェクトの実行

作成されたディレクトリ内で cargo run を実行すると、コンパイルと実行が一度に行われます。

Terminal window
cargo run

実行結果:

Compiling hello-rust v0.1.0 (/home/user/hello-rust)
Finished dev [unoptimized + debuginfo] target(s) in 0.52s
Running `target/debug/hello-rust`
Hello, world!

Hello, world! と表示されれば完了です!


5. 開発ツールのセットアップ (VS Code)

快適にRustを書くために、Visual Studio Code (VS Code) の拡張機能をインストールすることをおすすめします。

  1. VS Codeを開き、拡張機能アイコン(Ctrl+Shift+X または Cmd+Shift+X)をクリックします。
  2. 以下の拡張機能を検索してインストールします。
  • rust-analyzer (必須)
    • Rust公式の言語サポートツールです。コード補完、定義へのジャンプ、型表示などが可能になります。
    • 注意: 旧式の “Rust” 拡張機能ではなく、“rust-analyzer” を選んでください。
  • CodeLLDB (推奨)
    • Rustのデバッグを行うための拡張機能です。ブレークポイントを使って変数の値を確認できます。
  • crates (推奨)
    • Cargo.toml ファイルを開いたときに、クレート(ライブラリ)の最新バージョンを表示してくれます。

6. よくある質問とトラブルシューティング

Q. “linker ‘cc’ not found” というエラーが出ます

A. C言語のコンパイラ(リンカー)がインストールされていません。 本記事の「1. 事前準備」に戻り、Ubuntuなら build-essential、Macなら xcode-select --install を実行してください。

Q. Rustのバージョンをアップデートするには?

A. 以下のコマンドで簡単に最新版へ更新できます。

Terminal window
rustup update

Q. アンインストールしたい場合は?

A. 環境を完全に削除したい場合は、以下のコマンドを実行します。

Terminal window
rustup self uninstall

まとめ

これでRustの開発環境が整いました。 Ubuntu 24.04 でも macOS M4 でも、基本的な cargo コマンドの使い方は同じです。

次は、実際にコードを書いてRustの所有権システムや型システムについて学んでいきましょう。

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