Rust言語で作るwebアプリケーション: 環境構築編【2023年12月】

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はじめに

以前に、Rustでwebアプリケーションを作る記事を書きました。しかし、1年ほど時間が経ち状況が変わってきました。改めて2023年12月版として情報をまとめてみました。

以前書いた記事

続きの記事

  • Rust言語で作るwebアプリケーション: axum編【2023年12月】

環境

  • Mac mini M2 Pro 16GB
  • Docker 24.0.6
  • Visual Studio Code 1.84.2

Rustでwebアプリを開発するメリット

RustでWebサービスを開発することには、以下のようなメリットが挙げられます。

  1. 高速性
    • Rustは、C言語やGo言語と並ぶ高速なプログラミング言語です。Webサービスを開発する場合、高速性は重要な要素の1つです。
  2. 安全性
    • Rustは、型安全性とメモリ安全性を備えたプログラミング言語です。安全なWebサービスを開発するために重要な要素です。
  3. 拡張性
    • Rustは、モジュール式設計で拡張性の高いプログラミング言語です。さまざまなニーズに対応したWebサービスを開発するために重要な要素です。

ベンチマーク

TechEmpower社によるwebフレームワークのベンチマーク調査である「web framework benchmarks Round 22」というものがあります。そこでは、多くのRust製のwebフレームワークが上位にランクインしています。それが、高速である裏付けとなっています。

Rust製Webフレームワークの種類

Rustには、さまざまなWebフレームワークが存在します。主なRust製webフレームワークを表にまとめました。それぞれの特徴を説明します。

フレームワーgithubスターCrates.io DL最新バージョン最新バージョンリリース 初回リリース
Actix-Web19.1K15.2M4.4.02023年8月2017年10月
Rocket22.2K3.9M0.5.02023年11月2016年12月
axum13.7K26.4M0.7.12023年11月2021年7月
warp8.7K12.2M0.3.62023年9月2018年8月
ntex1.4K0.2M0.7.122023年11月2020年3月
may-minihttp0.3K4KN/AN/AN/A
xitca-web0.5K不明N/AN/AN/A
Rust製webフレームワーク(2023年12月4日調査)

Actix-Web

Actix-webは、Rustで最も人気のあるWebフレームワークです。高速性と型安全性に優れたフレームワークです。高トラフィックのWebアプリケーションやリアルタイムWebアプリケーションなど、パフォーマンスと信頼性が重要な用途に適しています。

Rocket

Rocketは、シンプルさと使いやすさを重視したフレームワークです。一般的なWebアプリケーションからマイクロサービス、サーバーレス環境での開発まで、幅広い用途に対応できます。

axum

Axumは、高速性と簡潔なコードを重視したフレームワークです。一般的なWebアプリケーションからマイクロサービス、サーバーレス環境での開発まで、幅広い用途に対応できます。

warp

Warpは、シンプルさと高速性を重視したフレームワークです。一般的なWebアプリケーションからマイクロサービス、サーバーレス環境での開発まで、幅広い用途に対応できます。

各種Webフレームワークの速度を比較できるWeb Frameworks Benchmarkというサイトがあります。上表のntexは無かったためそれ以外の速度を比較した結果を参考としてリンクを張っておきます。

開発コンテナのビルドの準備

開発環境はDockerを使って立ち上げます。

最終的に以下のようなファイルを準備します。

.
|-- .devcontainer
|   |-- Dockerfile
|   `-- devcontainer.json
|-- compose.yaml

Dockerfile

まず、Dockerfileについての説明です。このファイルはDockerイメージを作成するための手順を記したです。Dockerイメージは、Dockerコンテナを実行するために必要なソフトウェアや設定をまとめたものです。

Dockerfileは以下のような記述にします。

FROM rust:1.74.0-slim-bookworm

RUN adduser rustuser --gecos "" --disabled-password \
    && apt-get update \
    && apt-get install -y build-essential git \
    && rm -fr /var/lib/apt/lists/*

まず1行目のFROMの行でベースイメージをrust:1.74.0-slim-bookwormにしてイメージを作成します。

次に、3行目のRUNから始まる文ではユーザの作成と必要なパッケージをインストールします。まず、adduserコマンドでrustuserという名前のユーザを作成しています。最後に、apt-getコマンドでbuild-essentialとgitをインストールします。

devcontainer.json

次に、devcontainer.jsonについてのです。内容は以下のようにします。

{
    "name": "web-axum",
    "dockerComposeFile": "../compose.yaml",
    "service": "web-axum",
    "remoteUser": "rustuser",
    "workspaceFolder": "/app",
    "customizations": {
        "vscode": {
            "extensions": [
                "rust-lang.rust-analyzer",
                "serayuzgur.crates",
				"tamasfe.even-better-toml"
            ]
        }
    }
}

nameはUIに表示される開発コンテナの名前です。ここでは、「web-axum」という名前にしています。dockerComposeFileは、使用するcompose fileを指定します。ここでは一つ上のディレクトリの「compose.yaml」を指定しています。serviceはdockerComposeFileに記述しているどのサービスを利用するかを指定します。ここでは「web-axum」サービスを指定しています。

他には、remoteUserでコンテナにログインするとき誰でログインするか指定します。ここではDockerfileで作成したrustuserを指定します。また、ログイン時のワーキングディレクトリをworkspaceFolderで指定します。ここでは/appディレクトリを使うように設定します。

最後に、customizations.vscode.extensionsではVSCodeの拡張機能を記述しています。

compose.yaml

最後に、compose.yamlについての説明です。の内容は以下のようにします。

services:
  web-axum:
    build:
      context: .
      dockerfile: .devcontainer/Dockerfile
    image: web-axum
    container_name: web-axum-compose
    volumes:
      - .:/app
    working_dir: /app-compose
    tty: true

2行目で指定したweb-axumという名前のサービスについて、以下のように設定しています。

属性説明
build.contextbuildコマンドを実行した時のワーキングディレクトリ
build.dockerfilebuildコマンドを実行した時に使用するdockerfile
image作成するdockerイメージ名
container_nameコンテナを起動した時のコンテナ名
volumes– {ホストのディレクトリパス}:{コンテナのディレクトリパス}という記述でマウントする
working_dirコンテナを起動した時のワーキングディレクトリ
tty疑似端末の有効/無効の設定
各項目の説明

VSCodeの拡張機能

この記事ではVSCodeのDev Containersという拡張機能を使います。インストールしておきましょう。この拡張機能は.devcontainer/devcontainer.jsonというファイルのあるディレクトリをVSCodeで開くと、設定した通りに開発コンテナをビルドしてくれます。

コンテナのビルド

.devcontainerのあるディレクトリをVSCodeで開きます。すると下のようなポップアップ画面が開くと思います。コンテナーで再度開くをクリックします。

もし、上の画面が表示されない場合は、右下の緑のところをクリックしてください。

すると、画面上部に下のようなメニューが開きます。ここで、「コンテナーで再度開く」をクリックします。

すると、下のような画面になると思います。先ほどクリックした右下の緑のところが「開発コンテナー」になっていればOKです。

開いている端末のログインユーザが「rustuser」になっています。これはdevcontainer.jsonのremoteUserで指定したユーザになっていると思います。また、カレントディレクトリが/appであることがわかります。これはdevcontainer.jsonworkspaceFolderの値となっていると思います。

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