この記事ではUbuntu 24.04 LTSにRustをインストールします。Rustのバージョンは執筆時点の最新バージョン1.78.0です。
はじめに
Ubuntu 24.04 LTS
UbuntuはLinuxディストリビューションの一種です。Canonicalが管理しています。2024年4月25日には最新版の24.04 LTSがリリースされました。LTS(Long Term Support)は長期サポート版になります。
前回のLTS版である22.04 LTSから2年ぶりのリリースとなります。LTS版は、一般リリースよりも長期間(5年間)のサポートが特徴です。
24.04 LTSの開発コードネームは「Noble Numbat」と呼ばれています。
Rustとは
Rustは、Mozilla Foundation
によって開発されたプログラミング言語です。システムプログラミング、Web開発、ゲーム開発など、幅広い用途に利用できます。高い安全性や高速な実行速度が特徴です。
Stack Overflow調査
Rustは「Stack Overflow Survey 2022」で7年連続「開発者が最も愛するプログラミング言語」に選ばれて話題になりました。しかし、「Stack Overflow Survey 2023」では調査項目が少し変わっているようでした。
2つの指標を区別した調査になっていました。一つは、今現在使っていないが、今後「使ってみたい」。もう一つは、今現在使っており、「これからも使いたい」。の2つです。
「使ってみたい」ランキングでは6位となっています。しかし、「これからも使いたい」という指標ではダントツの1位に座にいます。やはり実際に使用してみて魅力を感じるということは優れた言語なのだと思います。
インストール
Ubuntu 24.04 LTSではaptリポジトリに登録されているらしく、apt install
コマンドでインストールできるようになっています。しかし、Rust公式のリポジトリに比べると更新は少し遅いようです。そのため、この記事ではRust公式のリポジトリからインストールしてきます。
まず、次のコマンドを実行します。
$ curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh
実行途中でインストール方法について聞かれます。そのままエンターを押すか、1を入力してエンターを押します。
1) Proceed with standard installation (default - just press enter)
2) Customize installation
3) Cancel installation
>1
インストールが完了したら次のコマンドを実行しましょう。パスの設定をするようなスクリプトになっています。
$ . $HOME/.cargo/env
それでは、インストールできたか確認してみましょう。無事にバージョン1.78.0がインストールできています。
$ cargo --version
cargo 1.78.0 (54d8815d0 2024-03-26)
$ rustc --version
rustc 1.78.0 (9b00956e5 2024-04-29)
動作確認
Cargoによるプロジェクト作成
それでは、Cargoを使ってプログラムの作成を行なってみましょう。まず、cargo new <プロジェクト名>
を実行します。ここでは、プロジェクト名をproject1
とします。
$ cargo new project1
project1
には、Cargo.tomlというファイルとsrc/main.rsというファイルが作成されています。
$ cd project1/
$ tree
.
├── Cargo.toml
└── src
└── main.rs
2 directories, 2 files
Cargo.toml
役割
Cargo.tomlは、Rustにおけるパッケージ管理ツールであるCargoの設定ファイルです。プロジェクトのルートディレクトリに配置されます。プロジェクトの構成情報や依存関係、ビルド設定などを記述します。
Cargoコマンドを実行することで、Cargo.tomlファイルに基づいてプロジェクトのビルド、テスト、インストールなどが自動的に行われます。
主に以下の情報が記述されます。
- パッケージ情報: プロジェクトの名前、バージョン、説明、ライセンス情報など
- 依存関係: プロジェクトで利用する外部ライブラリ (クレート) の情報
- ビルド設定: プロジェクトのビルド方法、生成する実行ファイルの種類、オプションなど
中身の調査
それでは、先ほど作成されたCargo.tomlを見てみましょう。
[package]
name = "project1"
version = "0.1.0"
edition = "2021"
[dependencies]
TOMLこのCargo.tomlはpackage
とdependencies
の2つのセクションから構成されています。
[package]セクション:
[dependencies]セクション:
src/main.rs
src/main.rsは標準出力に”Hello, world!”と表示するようなプログラムになっています。
fn main() {
println!("Hello, world!");
}
Rust動作確認
それでは動作確認していきましょう。cargo runコマンドでプロジェクトのビルドと実行を行うことができます。最後に、Hello, world!と表示されていればOKです。
$ cargo run
Compiling project1 v0.1.0 (/home/higmasan/rust/project1)
Finished `dev` profile [unoptimized + debuginfo] target(s) in 0.09s
Running `target/debug/project1`
Hello, world!
$ cargo run
Compiling project1 v0.1.0 (/home/higmasan/rust/project1)
error: linker `cc` not found
|
= note: No such file or directory (os error 2)
error: could not compile `project1` (bin "project1") due to 1 previous error
もし、cargo run
コマンドを実行してerror: linker cc not found
が表示されたらgccをインストールしましょう。
$ sudo apt install gcc
これで、コンパイルできるようになると思います。
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おわりに
この記事では、Ubuntu 24.04 LTSにRustをインストールする方法を説明しました。Rustのバージョンは執筆時点の最新の1.78.0でした。
また、cargo newコマンドを使用してプロジェクトの作成を行いました。そして、cargo runコマンドでビルド&実行ができることを確認しました。
人気のRustを使いこなしてつよつよエンジニアを目指しましょう!
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